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異説小説「UNNECESSARY」 第一話:heretics

さて、大体構想がまとまったので公開しようと思います。

えと、この小説は落葉松氏が作成したゲーム「UNNECESSARY」の内容を
私なりにまとめ直したものです。
ようするに異説小説ですね!

一応ゲームをやってない方も読めるように努力しますが、
やはり、所々ついていけないかもしれません。

放っておくけどねっ!(((((


さて、前置きはここまでとして、そろそろ本編をば。

拙い文章では御座いますが、是非お読みくださいませー




夜の森。
月明かりと静寂がそれを支配する。
浮かぶ満月は、気が狂いそうなほど大きかった。

佇む人影。
フードを被った男は、ただ空を仰いでいる。
取り憑かれたように目を見開いたまま、動かない。
まるで何かを待っているようだった。

近づく足音。
歩調も音も全く違う二つ。
しかし目的は一つ。あの男を・・・


やがてそれらは対峙するだろう。
その時、静寂は消え、月明かりは舞台となり、
物語はただ静かに幕を開ける。

全てはここからだった。


異説小説「UNNECESSARY」





暗闇から一つの声。
「さ、見つけたよ。けのぬ」

「・・・」
けのぬと名づけられた男は黙っている。

「ちょ、ちょっとカトレアさん!相手怒ってますって!!」
もう一つの声。
「ボサッとするなレート。さっさと始末するよ!」

けのぬは二人の声のする方を見据え、薄く笑いながら語る。
「残念だなお前等、今日は満月だ!」

けのぬはそう言うと形を変え始めた。
爪は伸び、衣服は破れ、牙が生えていく。
そして体毛も体格も獣に近付いていったそれは、まるで狼のようだった。
「フハハ!これで八つ裂きにしてやる!!」

「ひ、人じゃなくなりましたよカトレアさん!!」
「ボサッとするなって言ったでしょ!来るよッ!」
カトレアが叫ぶと同時、けのぬはレイトへ向けて飛びかかってきた。
「う、うわぁっ!」
レイトはとっさに横へ転がり攻撃を避ける。
そして態勢を立て直すと、左手に持っているナイフでけのぬに斬りかかった。
しかし、
「遅い!」
とけのぬの回し蹴りがレイトの脇腹へと当たる。
「ゲホ・・・ぐあぁ!」
レイトは横へと吹っ飛ばされ、木にぶつかり止まった。
それを見たカトレアは、しかし余裕な面持ちで
大丈夫か?レート。無理はするなよ。」
そう言った。すると、
「は、はいカトレアさん。大丈夫です。」
今受けた傷がまるで無かったかのように、レイトは立ち上がる。
「危ないからそこにいなさいレート。巻き添えになるからね。」
カトレアはレイトにそう言うと、けのぬに向き直る。
そして、
爆ぜろ!

刹那。
けのぬを中心に大規模な爆発が生じた。
爆風と高熱がけのぬに襲いかかる。
「ぐ・・・ぐおおおぉ!!」

カトレアは悲しげに言う。
「悪いねけのぬ。残念だけどこれも仕事なんだ。」

「そうか・・・お前等があの異端者狩りか・・・」
「そういう事。そろそろ・・・」
「お、おい!ちょっと待ってくれ!俺はまだ・・・」


終わりにしよう


翌朝。
レイト達は宿にいた。

「おはようございます、カトレアさん。」
「遅いぞレート。目的も果たした事だしさっさと村長の家へ行くよ。」
「そうですね;; ところで・・・その、『レート』って言うのが気になるんですが・・・」
「気になるとは?」
「なんで『レート』なんですか?僕は『レイト』です。」
「ん、そっちの方が呼びやすいからね。別にどっちでも構わないだろう?」
「ええ、確かにそうですけど・・・」
「ならいいじゃないか。さ、早く行くよ。」
「あ、はい。えーと、村長の家は確か北東でしたよね。」


ここはウノネック、山奥にある小さな村である。
村人同士は皆仲良しで平和だったらしいが・・・
ある日、人を襲う狼、人狼がこの村へ紛れ込み、
村人を食い荒らし始めた。
未知の出来事に困り果てた村長は、
異端者狩りとして有名なカトレアに退治依頼を出したというわけだ。
レイトは異端者狩りとしては初めての実戦であった。

ちなみに、逆さにするとクッネノウだ。特に意味はない。


レイト達は宿屋の主人に挨拶をし、外へ出た。すると・・・

「やぁやぁ諸君。こんにちは!
ピエロ・オブ・ピエロ!ミッチルの登場だよ
近くにある壺の中から突如、ピエロの出で立ちをした男が現れた。
「カ、カトレアさん!異端者です!」
「違うぞレート。あれは頭がおかしい人だ。しかもかなりの重症らしい。」
「いきなりその言い方はひどいんじゃないかな諸君!?」
ミッチルはそうツッコむと咳払いをし、改めてこう言った。
「まぁいい、今日は諸君らにアドバイスをしようと思って来たんだ!」
「なら普通に登場してくれば・・・」
「それだと演出的に面白くないよ!」
「演出って・・・」
呆れるレイトを尻目に、ミッチルは語りだす。
「いい事を教えてあげよう。この村で起こった事件、何かおかしいと思わないかい?」
「おかしいとは?」
「例えば、けのぬはいつ異端者になったのか。そこの君なら、
どこの誰が異端者なのかはわかるはずだろう?」
「・・・」
「どういう意味ですか?というか、なぜこの村の事件の犯人を・・・」
レイトは疑問を投げかける。しかしミッチルは笑い、
「そこからは諸君らが考えるんだね!確かに伝えたぜ!
アディオス!君の心にチェックメイト
そう言うと、丸い玉のようなものを地面に叩きつけた。
瞬間。
閃光が辺りを包み、収まった頃には彼の姿は消えていた。
「何者だったんでしょうね・・・?」
「さぁ?ただ、単に頭がおかしい人じゃあないみたいだよ。レート。」
「はぁ・・・」
「とにかく、村長の家へ向かうよ。これ以上待たせるとまずいからね。」
レイトは色々と腑に落ちないが、とりあえずこの事は置いておくことにした。
今の自分にはわからない事が多すぎる。もっと後で考えることにしよう・・・


--- To Be Continued… ---



語りたがり物知りおじいちゃんの、異端者講座ー!ヾ( ・w・)ノ゛)

第一回:まず異端者って何よ?


ほぉ、こんな所に人が来るなんて珍しい。ワシに何か用か?
!!? そうかなるほど、ワシの話が聞きたいんだな?そうなんだな?え?
そうかそうか!ならば聞かせてやろう!このワシのありがたいお話をしっかりと聞いていくんじゃぞ!!
まずは何を聞きたいんだ? ほう、異端者についてか。よし、教えてやろう。

異端者とは、通常人間では得る事の難しい、もしくは得られない能力を持った人達の事じゃ。
異端者の呼び方が一般的じゃが、一部の人は能力者、覚醒者なんて呼ぶ者もおるようじゃな。
ここら辺だと、異端者狩りのカトレアが有名じゃのう。
え?異端者狩りは人間じゃないのかだって?確かに、異端者狩りの中には普通の人間もおるが
戦闘になると異端者には敵うまいて。そこで、予め戦闘が予見される場所には、異端者が派遣されるのじゃ。
「毒をもって毒を制す」とはこのことじゃなぁ。
話を戻すぞい。例えばカトレアは「言霊を操る力」を持っておる。
なんでも、声に出した言葉が現実に影響し、その言葉の意味が具現化するらしいぞい!
おっそろしいのぅ・・・。
しかし幸いなことに、彼女自身がイメージしやすい言葉ではないと効果を発揮しないと聞く。
そうじゃないととっくに危険人物として始末されているじゃろうて。
この間ウノネックで起きた事件の犯人、けのぬも異端者じゃ。
彼は「人狼に変身する能力」じゃ。
しかし、彼の場合満月はあんまり関係なさそうじゃのう。
気分的なものなのじゃろうか・・・?
とにかく、異端者の能力は様々じゃ。
それこそこんな事出来るはずがない!ありえない!という事も
異端者の中には可能にする者も居るかもしれん。
ようはぶっちゃけると、奴らはなんでもありなのじゃ!!(((

しかし、その異端者の数は年々減り続けておる。
なぜかって?そうか続きが聞きたいか!しかし、今回はここまでじゃ。
次回は「異端者はどうやって生まれるのか」を話そうかのう。
それじゃあまたなぁ!

(出番がここしかないからのぅ、気張っていかねばなぁ。)

■ Comment

No title

あの全くと言って良いほど最初に台詞が無かったけのぬがやけにカッコいいです先生!
って、満月は気分的なものなんですか・・・お爺さん(しゅん

Re: No title

>>璃氷さん
本編で目立たなさすぎたので、ここでちょいと修正しましたー
おじいちゃんもそんな感じです。

満月じゃないと変身できないのは不便すぎるので・・・
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